思わぬ伏兵により一人フードファイトが始まってしまったはなし

今日の昼は最近見つけた安くてそこそこいい感じのレストランに行きました。この地方特有のCajun料理が食べられる店で、店員さんが全盛期のt.A.T.uに似ていてかわいいので毎週通っています。

Cajun料理はアメリカと聞いて想像される、ステーキ!ピザ!ハンバーガー!といった見るからにヤンキーなものとは一線を画しており、米やシーフードを多用することで有名です。ザリガニやナマズ、カエルなどの淡水の仲間たちも調理された姿でご対面できます。味付けもデミグラスソースの様ないろいろな食材・スパイスが混じった味で個人的には好きな味ですが、どの料理も基本的に同じ味付けです。アメリカ人は芸が無いなと思いますが、かたや日本人の僕は1週間の半分をカレーライスで過ごしているので人のことは言えないなという自覚はあります。

そんなCajun料理のレストランで、今日のおすすめだと言わんばかりにホワイトボードに書かれている”Beef Tips”を僕の得意技のJapanese Englishでオーダー。

このBeef Tips、前回も頼んだのですが、ライスにシチューのようなものがかけられており、サイドメニューを2品選べるので野菜の供給もばっちりと、アメリカでは珍しく無難中の無難のメニューであります。(食べかけですみませんが、下記参照)

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Beef Tips on the rice(左)小豆を煮たやつ(右上)コーンマフィン(右下)コールスロー(上)

ただ、人は無難を求めつつもある程度の未知の出会いを求めるもの。最近は小説の作者やタイトル、表紙を敢えて伏せて売り場に並べることで成功している事例もあります。今回は2品選べるサイドメニューにそれを求めようと思い、唯一字が汚くて読めなかった「上から2番目のやつ」をオーダー。

おすすめされていることもあり、すぐにt.A.T.u似の店員さんが皿を運んできますが、皿の様子が明らかに前回と違う。前回は小豆を煮たものがサイドメニューでしたが、割と平坦に盛られており、走りやすそうだな、といった印象。今回のものは軽い山が二つできており、さながらトレイルランニング。テーブルに置かれた「上から2番目のやつ」を見ると、まさかのオクラ。それも軽く茶碗1杯分くらいが盛られて鎮座しておりました。(ボードもよく見たらOkraって書いてあった。)あと、写真だとあまり多く見えないんですけど、オクラに合わせてメインのほうも若干増量されていました。

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「うわあ なんだか凄いことになっちゃったぞ」

Okraを前にして唖然としていると、カウンターに戻ったt.A.T.uがホワイトボードをいそいそと書き直し始めました。掛けなおされたそれを見たら、今まで上から2番目にあった汚い文字で書かれたOkraが消されており、「中途半端に残ったOkraが全部僕の皿に盛られたな」と全てを悟りました。

こうして思わぬ形で一人フードファイトが始まってしまったんですが、このOkraが繊維質な上にねばねばしており非常に腹にたまりなかなかの強敵。日本ではオクラを食べるとなったら湯がいて醤油を垂らしてさっぱりと食べることが多い思うんですけど、このOkraは茶碗一杯分が油で炒められており、オクラとOkraの違いをまざまざと見せつけられました。

Okraと格闘しながら「thee michelle gun elephantt.A.T.uの代わりに現れて、急きょ俺の分のOkraも食べてくれないかな…」などとは実際は思いませんでしたが、アメリカに来てから3か月間ほぼ毎日孤独のグルメですので、当然誰の助けを得ることもできずに惨敗しました。

フードファイトの本場のアメリカだけあって、ステーキの肉の量、サイドメニューの文字から染み出る雰囲気等、かなり慎重に一人フードファイトを回避してきたつもりでしたが、1度頼んだことがある、という慢心がこのような結果を招いてしまいました。Okra農家の皆さんには申し訳ない限りですが、今後1か月くらいはOkraもオクラもNo thank youです。